ECO earth 地球のエコを考える

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オゾン発生装置

環境問題と地球

オゾン発生方式には、電気分解式、光化学反応方式、高周波放電方式、放射線照射方式などがありますが、工業的に効率よく安定的にオゾンを発生させるには、無声放電方式が用いられています。上水処理ではこの方式のオゾン発生装置が採用されています。

従来は、空気を原料ガスとしたオゾン発生装置が多く用いられていました。この場合のオゾン発生濃度は20g/N㎥が多かった。その後、放電ギャップ長、電極冷却方式、誘電体材質の改良などによるオゾン発生の効率向上に向けた研究開発により、最近では酸素を原料ガスに用いた場合で、300g/N㎥の濃度のオゾンを容易に発生させることができるようになっています。

このようにオゾン発生装置の高濃度化が実現しましたが、高濃度のオゾンは何らかのトリガーがあると、異常分解を起こすことが知られており、安全に運転するには十分な注意が必要です。

そこで、どのような条件でオゾンが異常分解を起こすのかを検討するためにオゾン分解装置を作成して検討しました。反応容器に濃度を変えたオゾンを0.1MPa〜1.6MPaの圧力で充填して、ニクロム線で着火させ、そのときのオゾンの分解率を求めました。これによって分かったことは、オゾン濃度が150gg/N㎥まではオゾンはほとんど分解しませんが、これ以上になると分解率が急激に増加し、250g/N㎥になるとオゾンが100%分解しました。この傾向はオゾンの充填圧によらず同じでした。このことから、オゾン濃度を150g/N㎥以上で利用するとは、安全性に十分な配慮が必要です。

オゾン反応の基礎

オゾン処理で被処理物質を効率よく処理するには、オゾン接触池で必要にして十分な反応を起こさせる必要があります。水中におけるオゾンの反応は、オゾンの直接反応と、オゾンが自己分解して生成するヒドロオキシルラジカルからなる複雑な反応です。これらの2つの反応は、被処理物質の選択性も異なれば生成物も異なります。さらに被処理物質に比べてはるかに高濃度に存在する共存物質がオゾンの反応に影響を与えます。

オゾン接触池

オゾン接触池では、高効率でオゾンを溶解させ、被酸化物質と必要にして十分な反応を起こせなければいけません。大規模なオゾン接触池になるとオゾン接触池も大きくなり、接地面積も広くなるので、必要以上に大きくならないように留意しなければなりません。最適な設計をするためには、以下のような項目が重要ですが、実際にはこれらの設計因子は季節変動などがありますので、導入浄水場での実験により決めることが重要です。

①オゾンの吸収効率
注入したオゾンを有効に利用するには、水中へのオゾン吸収効率を高くする必要があります。この吸収効率を決める因子は、接触池の水深(4〜6m)、オゾンの気泡径、液ガス比オゾン濃度、オゾン注入率、水中の被酸化物質との反応速度、水温などです。

②酸化処理対象物質とオゾンとの反応速度
酸化処理対象物質を目的の濃度まで処理する時間は反応速度で決まります。したがって、あらかじめ両者の反応速度数を求めておく必要があります。これがオゾン接触池設計の基礎数字になります。ただ、先にも述べたように水中には両者の反応を促進する物質と阻害する物質が必ず共存するので、最終的な反応時間はこれらの共存時の状態で決まることになります。

③水理学的滞留時間と滞留時間分布

オゾン水生成器
接触池の容量は、滞留時間と処理水量によってほぼ決まるので、滞留時間はもっとも基本的な仕様のひとつとなります。この滞留時間は酸化処理対象物質がオゾンで処理されて目標値まで減少するまでの時間で決まります。オゾン接触池は、完全な押し出し流れでないかぎり、ショートパスや循環流が発生して流入してくる被処理水は、オゾン接触池の容量を処理水量で割った値である水理学的滞留時間より速く流出したり、あるいは遅く流出したりして、滞留時間に分布ができます。オゾン接触池の設計にあたっては、池の形状による滞留時間を考慮して、滞留時間の短い部分に対しても十分な反応時間を確保して、未処理にならないように水理学的滞留時間を決めなければなりません。

④オゾン接触池の形状
一般的にオゾン接触池は、小規模のときは円筒状のものが使われますが、上水のように大きな規模になると、下方注入方式の接触池が用いられます。

⑤非オゾン処理
注入されたオゾンは、自己分解と反応に利用されて分解しますが、必ず未反応のオゾンが排出されるので、安全のためにこれを排オゾン処理装置で分解して大気に放出する必要があります。日本では、労働環境の大気中のオゾン許容濃度を0.1ppmとしています。したがって、オゾン処理設備からのオゾン濃度はこれ以下にするのが望ましいといえます。排オゾン処理には、活性炭分解法、触媒分解法、加熱分解法そして薬液分解法があります。小規模の場合は、活性炭分解法がよく用いられています。この方法は、設備コストが低いのですが、ランニングが高いという欠点があります。

一方、大規模になると、二酸化マンガン、酸化銅などを使った触媒分解法が採用されています。この方法は小さな容積で効率よくオゾンを分解でき、触媒の寿命も長く基本的には触媒は消費しないので、ランニングコストや取り換えの労力も少なくてすむというメリットがあります。ただ、触媒の能力を発揮させるためには加温する必要があります。